第10回 日本うつ病リワーク協会年次大会
大会長 五十嵐 良雄
一般社団法人日本うつ病リワーク協会 理事長/
医療法人社団雄仁会 理事長
第9回の年次大会が終わりあっという間に精神神経学会も終わりました。来年の第10回年次大会の大会長をお引き受けすることになりましたが、時間はどんどんと経つものだと改めて感じています。2005年に34施設が集まりうつ病リワーク研究会を立ち上げて来年で20年が経ちます。
考えてみますと研究会が始まって最初の5年間はリワークなどといった言葉すらまだ知られていない時期でひたすら会員を増やすべくマスコミの取材を受けたり、講演活動や出版活動など啓発活動に力を注いだ時期でした。その甲斐もあり、引き続く5年はリワークの効果を確認し、診療報酬化を目指して調査研究活動を活発に行なった時期でしたが、リワークのRCTが失敗に終わり、診療報酬化は挫折することになります。その後はリワークの質の担保のためスタッフの研修に力を入れ、リワーク施設の認定制度を作りリワークのプレゼンスを高める時期でした。2019年年末に始まるコロナ感染のパンデミックは集団療法の実施に大きな影を落とした時期でしたが、それも何とか乗り越えようという時期に更に福祉リワークの出現が影を落とします。福祉リワークに関してはこの3年間の活動で何とかその勢いを封じ込めてきたように感じていますが、予断を許さぬ状況は続いています
第10回大会では研究会発足以来の20年間を振り返りつつ、今後の展望を得る年次大会としていきたいと考えています。本年3月に協会の今後の活動の方向性については以下の点に関してまとめています。
- 休職者のニーズに沿った医療リワーク施設数の量的拡大を実現するために、当協会としては10年後には現在の施設数の10倍の会員施設数、利用者定員として3000人規模から3万人規模へと拡大を目指すとする目標を掲げました。
- 従来の施設認定基準を見直し多くの会員が認定を受けやすくし、社会に対して当協会会員が一定レベル以上にあることを保証することにより、医療リワークのプレゼンスを高めます。
- リワークの質の低下を招かないように、スタッフ研修会の内容をより実践的な内容へと充実を図ります。
- 医療リワークのエビデンスを確固たるものするため、協会認定施設の利用者個人の属性データや各施設の属性データを集積したレジストリを作り、その解析で得られた結果を医療リワークのエビデンスとして社会に発信していきます。
- これらの活動を通じて休職者を対象とする復職支援におけるゴールデンスタンダードとしての医療リワークの位置を確立し、医療リワークの政策的位置づけを確実なものとし、正当な対価としての保険点数の収載を目指すことも目標とします。
これらの目標を実現するための英知を来年度の年次大会で集積するための企画をプログラム委員会で集め、今後の協会の活動へとつなげていくよう本大会の企画立案を行いますので、期待していただければ幸いです。